Gリーダーとキャンプリーダー
今年もガイア自然学校のボランティアリーダー「Gリーダー」の新1年生が入ってきました。
今年は10名と少し少なめですが、引き続き募集しています。
さてまずは「Gリーダー」とは何かと申しますと「GAIA自然学校のボランティアリーダー」のことを指します。
この「リーダー」の部分が、団体によって少し違います。
「ボランティアリーダー」と一般的にイメージしやすい方で呼ばれていますが、元々は「キャンプリーダー」のことを示していました。
関西や関東では「キャンプリーダー」という活動が、割と昔からあって子どもたち対象のキャンプや自然体験活動には欠かせない存在です。
大人過ぎず子ども過ぎない、大学生ぐらいの世代が子どもたちと「共感」しやすく、かつ安全を守りながら遊べる重要な存在なのです。
キャンプリーダー発祥の歴史
日本ではYMCAやボーイスカウトなどの社会教育を実施する団体が野外活動を行う際に、子どもたちの指導を行う指導者をキャンプリーダーとして位置づけたことがはじまりのようです。
私が学生時代に参加していたキャンプリーダー組織も、YMCAのキャンプの手法から発祥しています。
そして
「ガイア自然学校って、どんな活動なんですか?」
と、自然学校のことを全くご存じない方に説明をする歳にはよく
「ボーイスカウトみたいな感じです。」
って伝えます。
全く違うものですが、一般的にイメージしやすいのが「ボーイスカウト」なんです。
ボーイスカウトは歴史も古く、1907年にイギリスのロバート・ベーデン=パウエルによって始まります。
そこから世界に広まっていった社会教育の代表的な活動と言えます。
一節によると、ボーイスカウトの起源は、このパウエルさんが日本の薩摩藩を訪ねた時に見た
「集落の若い大人たちが集落内の子どもたちを教育する」
というスタイルをヒントにボーイスカウトを考え出したと言われています。
あくまで一節のようですが、私もボーイスカウトの古い資料を読ませていただいたことがあり、そこに書いてあった記憶があります。
「教育」といっても勉強を教える訳ではなく、地域の野良作業や清掃作業を共同で行う地域活動の指導や、剣術や川で泳ぐ術なんかを教えていたようです。
映画「ラストサムライ」に、実は少しそんなシーンがあるみたいですね。
ちょっと昔も、近所の「ガキ大将」が小さい子どもたちを束ねて遊びをすることがありました。
私が子どもの頃は、まだテレビゲームもさほど発達してなかったので、公園や近所の空き地にあつまって学年バラバラで子どもたち通しで遊んでいることが多かったです。
しかし、今は全くそんな姿を見ることができなくなってしまいました。
でもこうした「教育」の方法や、若い大人と子どもたちの関わりって、大切だと思いませんか?
大昔のイギリス人でさえ、日本を見て「これ大切!」と思ったから世界に広めたんです。
こんな大切なことをやらない理由はありません。
だから、ガイア自然学校では「Gリーダー」の育成に力をかけているんです。
キャンプリーダーがしていること
このキャンプリーダーは、どんなことをしているのかというと、単に子どもたちに付き添って遊んでいるだけじゃないんです。
家族で行くキャンプとの違いは、ここにあります。
ざっと、キャンプリーダーがしていることをまとめると。
(1)キャンプの計画と運営
キャンププログラムの計画と運営を行います。参加者の年齢や能力、目的に応じて、活動内容やスケジュールを設定し、キャンプのテーマや目標を明確にします。
(2)安全管理
施設や設備の点検、緊急時の対応、参加者の健康管理など、安全に関する全ての面を管理し、事故やトラブルを防ぎます。
(3)教育的な活動の提供
子どもたちが自然の中で学び、成長するための教育的な活動を提供します。自然観察や野外活動、チームビルディングゲームなどを通じて、参加者たちが新しい経験を積み、スキルを磨く機会を提供します。
(4)グループワークの実施
子どもたちが安心して参加できるように、グループワークを行います。
コミュニケーション能力やリーダーシップスキルを活かし、参加者たちが協力し合い、チームワークを発揮するようサポートします。
(5)自然環境への理解と尊重
子どもたちへの自然環境への理解と尊重を促進します。参加者たちに自然の美しさや重要性を伝え、持続可能な関係を築くための意識を醸成します。
(6)子どもたちへのサポート
子どもたちがキャンプ中に抱える様々な問題や懸念に対応し、サポートを提供します。
心理的なサポートやカウンセリング、個々のニーズに応じた配慮が含まれます。
もちろん、これらのことが完璧にできる訳ではありませんが、こうした目的ややるべき事に向けて「チーム」で動いていくシステムにしています。
そのために、キャンプリーダー自身が学ぶ事も多く、ガイア自然学校では毎週研修会を開き、大学生たちに学んでもらっています。
4年間、ほぼ毎週研修をしてます。1年1年は同じ内容の研修を重ねていくのですが、自然相手なこともあり毎年違いがあり、学びの深さも変わっていきます。なので3年目4年目のキャンプリーダーになってくると、非常に有能な動きをするメンバーが生まれてきます。
キャンプリーダーの未来
こうした活動をしている「キャンプリーダー」たちは、昔の日本にあった社会教育を形を変えて復興することで、現代の子どもたちへの社会教育や感性の教育を実施しているのです。
このことは単純に「自然体験のイベントができる人材」を育成している訳ではなく、子どもたちへの関わりや社会教育の実践の場を通して、与えられた子どもたちのグループ=「社会」を把握し、必要な関わりを深め、その「社会」の課題解決を行う実践を常に行っているのです。
これって、いろんな企業や地域でも必要な人材を育成していることになりませんか?
実際、ガイア自然学校のGリーダーたちを企業の方々に見て貰ったこともあるのですが、「とても欲しい人材が揃ってる」と言っていただいことがあります。
能力が高いとか、資格があるとか、そこだけじゃないんです。
コミュニケーション能力が高い、ってだけでもありません。
集団をリーダーとして率いつつ、その集団の課題解決を行う訓練を常に行っている学生たち。です。
日本や地球の未来を担う人材育成をガイア自然学校は行っているんですよ。
すごくない?