トップコラム「自然」と「認める」が特色な放課後

Column

ぴっからコラム

「自然」と「認める」が特色な放課後

夏休みはじまる

Aくん「ぴっからー!今日のおやつ何?」

Bちゃん「ぴっからー!早く開けてー!」

Cちゃん「ぴっからー!昨日、わたしお母さんと〇△▢…!!」

Dくん「ぎゃはっはははは!!」(走ってくる)

ぴ「……。まずは、『おはようございます』やよ。」

出社する前から聖徳太子状態を要求される朝8:00前。

夏休みがはじまりました。

だいたい毎日、100人ほどの小学生たちと9時間くらい一緒にすごしています。
子どもたちは、朝から夕方まで、ご家庭によっては夜まで、放課後自然教室の子どもたちはガイア自然学校ですごします。
ながーい時間ですが、子どもたちは毎日フルパワーであそびまわっています。

「たき火」が日々楽しめる

「コクワガタ!見つけた!」

Aくんたちは、昆虫採集にはまり、毎日森を歩き回っています。
広い森ではありませんが、高低差もあり道が整備されているわけではないので、ヤブの中を歩き回っています。

「この竹の棒、秘密基地につかっていい?」

森の奥にはなにやら木で覆われた「秘密基地」があちこちに…。
すぐ見つかるので、あまり秘密っぽくないですが、基地感があって数人の子どもたちがそこで涼んでたりします。

「ホース!もちたい!」

暑い日は水あそび。
ホースから水あびしたり、かけあったり、熱中症予防にもよく効きます。

外ばかりでなく、室内で工作をしたり、夏休みの宿題をしたり、本を読んだり、楽しみ方はいろいろです。

みんな正しい夏休みの過ごし方をしてるなと思います。

こんなに毎日、たくさんの友だちや同級生や違う学校の子どもたち同士で、ずっと自由にあそべる毎日。
たのしそうで、この子たちがうらやましくなるくらいです。

もちろん、楽しいことばかりではなく。
ケンカもしょっちゅうですし、野外であそんでいるのでケガもします。

しかしこれは、いろんな経験をしている証拠だと思います。

「泥あそび」って案外できるとこ少ないんです

特色のある放課後児童クラブ

習い事や塾、または家で過ごしたりする子どもたちもいるとは思いますが、放課後児童クラブいわゆる学童保育に預けられる子どもたちは年々増加傾向にあるようです。
また、学童保育が足りずに待機児童となっている子どもたちは、全国で1万5000人くらいはいるようです。潜在的には30万人とも…。
私が子どもの頃では考えられないくらい、学童保育に通う子どもたちの数は増えているのです。

小学生が夏休みや長期休暇期間も含めて放課後に過ごす時間は、年間1,600時間にもなると言われています。小学生低学年の学校にいる時間は、年間1,200時間。
小学校に通っている時間よりも長い時間、子どもたちは学童保育にいることになります。

にもかかわらず…。

小学校教員の平均年収は740万円、学童保育の支援員の平均年収は318万円…。
現実的に、労働環境の劣悪さは感じざるを得ません。
これだけの時間を子どもたちと過ごす上で、教育的な関わりや子どもの成長に関与していることは間違い
ないのですが、「教育」の範疇ではないとみなされています。

子どもたちを中心に考えると、いろんな矛盾やこれでいいのか?という社会状況があります。

しかし、放課後児童クラブも都会中心ではありますが、いろんな特色を持った民間の学童保育が出てきています。
スポーツクラブが併設していたり、英会話や学習塾が付属している所など。
保育料は高くなりますが、民間運営だと当然といえば当然の金額なのでしょう。
地方では、まだまだ待機児童も少ないこともあってか、そこまで特色のある民間の学童保育はまだ増えていませんが、これから増えるのかもしれません。

ガイア自然学校は、金沢市の委託を受けて放課後児童クラブを運営していますが、金沢市も「特色のある取組を」と少し動いていますが、それほど予算がある訳でもなさそうです。
というか、うちでこんなに特色のある放課後児童クラブを運営しているのに、参考にもされません。
まあ、他ではできないでしょうが。。

日本社会全体的に必要とされている「放課後児童クラブ」。
だからこそ、いろんな特色がある放課後児童クラブが増え、利用者に選択の幅が増えることは大切だと思うのです。

自然の素材で自由な発想で造る

大学生とあそべる日常

ガイア自然学校の放課後自然教室では、社員だけでなくアルバイトやボランティアの大学生【まとめてGリーダーと呼びます】たちが関わってくれます。
アウトドアの研修を日々うけている大学生のお兄ちゃんお姉さんが、毎日あそんでくれる学童保育。

理想的じゃないですか?

また、Gリーダーたちは、子どもたちの心にとてもしっかりと寄り添い、向き合ってくれます。
そういう風に研修しているのですが、このことが、子どもたちの「主体性」を育てるのに、とても効果があると思っています。

完全な「大人」でもなく、年上でかつ子どもたちに「教育的」な関わりができるため、子どもたちが安心してあそべる間柄です。

子どもたちはいつもGリーダーに群がっています。

めちゃくちゃ楽しい遊びを提供してくれる訳ではありません。
一緒にあそんでくれる「だけ」の大きいお兄ちゃん、お姉ちゃんの存在は、子どもたちにとっては最高の友だちです。
電子ゲームよりも、相当楽しい対象だと思います。

子どもたちはGリーダーからたくさんのことを学んでいます。

「大人」でも、イヤなことしたら怒ること。

「大学生」って面白そうなこと。

「かっこいい」身近な大人の見本。

「楽しい」をみんなで感じたら「もっと楽しいこと」

「やさしい」とは何か。

書き出すと切りがありませんが、およそ人と人が関わる上で大切なこと。
人間関係の作り方や、そのために何が大事なのか、彼らとの会話やあそびの中で学んでいるのが分かります。

また、Gリーダーたちも放課後の子どもたちと関わることは、彼ら自身の成長につながります。
将来、教員を目指すメンバーもいるので、かなり有意義な経験になると思います。

特色あるという部分においては、このGリーダーの存在があることも言えるかもしれません。
大げざなことをしている訳ではありません、一緒にあそんでいるだけに見えます。
でも、その子のことを「認めたり」「受けとめてくれる」っていうことを、自然と会話の中や行動でしめしてくれています。
そのことが、子どもたちにとって「勇気づけ」になっているのだと思います。

何か具体的な「成果」が目に見えてあるわけではありません。
いずれどこかの学者さんが、成果を目に見せてくれるかもしれません。
でも、現場の私たちは日々、子どもたちと対峙する中で「自然あそび」や「受けとめる関わり」が子どもたちの目を輝かせたり、元気にしたりしているのを目の当たりにしています。
きっと子どもたちの成長にプラスになっていると信じて。

今日も聖徳太子状態でがんばります笑

竹筒水鉄砲

森の中が涼しい

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