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ぴっからコラム

情報のCHOICE & CHANCE

正しい情報から選ぶ

Gリーダー(ガイア自然学校のボランティア大学生リーダ−)たちと、スキー&かまくら作り合宿に新潟県妙高市まで来ています。
雪が降らず、スキーもかまくらも「できないのではないか?」という状況から一転。
前日の大雪でスキー場は全面滑走可となり、かまくらもできることとなりました。
しかも当日は晴天になり、すごく気持ちのいい研修となりました。
本当にラッキーでした。
施設の方からも数日前から何度も「雪が積もってないから、キャンセルするなら今のうちにお願いします。」とお電話いただいていたので、かなり悩みましたが前日の大雪予報を信じてよかったです。

「自然」とは人間には簡単に読めないものです。

スキー場がオープンするかどうか?や、かまくらが作れるほどの雪が積もるかどうか?なんて読み切れません。
気象庁による予報は、ちゃんと読めればありがたいものです。
しかし、テレビなどの報道は一見すると、一部地域の気象情報がまるでその県全体の被害の様にイメージされてしまうので、鵜呑みにするのは危険です。

メディア情報を鵜呑みにする危険

特にそれを感じたのが、能登の震災の時です。
当日、私は京都にいたため震災の情報がテレビに頼らざるを得ませんでした。
すると、能登エリアの地震との速報でしたが、テレビには崩れた民家の映像と共に「金沢市の様子」の文字。しかも崩れているお家は、ガイア自然学校のある町の近くでした。
非常に驚いて「能登だけじゃなくて金沢も壊滅状態なのか!?」と大慌てしました。
しかし、急いで金沢に戻ってみると金沢市内はそんなにひどい状況でもありませんでした。情報を整理してみると、テレビに映っていた「金沢市の様子」の崩れた民家は、本当にテレビに映っていたその「お家数軒」だけが崩れてました。立地条件等もあったのだと思いますし、もちろん地震の影響ですが、テレビを見ての印象と実際とは随分異なりました。
テレビの報道自体はウソではないのですが、その「映像」だけ見ると「金沢全体がこんなことに!?」という印象を受けました。

クマ騒動に思うこと

今年の「クマ騒動」に関しても、同じように感じる所があります。
「今年が特にひどい」という報道ですが、現場にいるとそんな急にいっぱいクマが森から出てきている訳ではありません。確かに全国のクマによる被害件数は増えているのかもしれませんが、地域毎に異なるケースバイケースだと思います。

急に今年、一斉にクマさんが森から町へ襲いかかっている訳ではありません。

テレビやネットの映像だけ見てると、北海道のヒグマの映像も北陸のツキノワグマの映像も一緒に流れています。インパクトはヒグマの方が大きさもでかいし「ガオー」って感じで来るのでめちゃくちゃ怖いです。
きっと、野生のクマを知らない都会の人たちにとっては、クマは全部ヒグマぐらいの感覚になるのではないかと思います。
しかし、普段からクマのいるエリアで活動してる私たちにとっては「クマが怖い」と騒がれるのは、感覚的には隔年くらいで起こっていて「またか」という感覚です。秋の風物詩くらいの感覚です。
そして、そうした報道が流れる度に「クマが怖いのでキャンセルします。」「オタクのクマ対策はどうされていますか?」という電話が鳴り響きます。

全国でクマ被害が増えているからといって、明日私たちが活動する森にクマが現れる確率が高まる訳ではありません。

これがなかなか分かってもらえないんです。
もちろん警戒は常にしていますし、対策もとった上で森に入ってます。
そもそも、クマ鈴つけて大勢の子どもたちと大学生が「ワイワイガヤガヤ」しながら森であそんでいるので、クマどころか森の生き物全部逃げていくくらいの状況です。(実際にはワイワイガヤガヤどころかキャーキャーギャーギャーぐらいが正しい)
逆に野生生物に出会おうと思ったら、相当静かに森に忍び入らないと出会えないのに。
県外の方とお話していると「今年クマひどいんでしょ?」と聞かれますが「20年くらい会ったことないです。毎週山にいますけど。」って言ってます。クマがいないエリアではないですし、会ってしまう可能性も0ではありませんが、実際出会うかどうかは別問題なんです。

実際に石川県のクマ被害はどうっだたのかというと。

【石川県内のクマ目撃情報】

2025年 石川県内のクマ目撃件数 383件(12月上旬まで)
2024年 石川県内のクマ目撃情報 255件程度

これ見ると「うわーやっぱりめちゃ増えてる!」ってなると思うんですけど、「目撃情報」ですよね?
こんだけ報道で「クマクマ」騒がれていると、人間「見ちゃう」んだと思うんです。
普段見えてないクマが見つけられているじゃないでしょうか?
イノシシなんかとの「見間違い」も多いと思います。
「そんなの見間違うハズない」と思われるかもしれません。しかし、人間の脳にはその動物のイメージが、映像で見た像やアニメや絵などでついてしまっています。
ですが、実際の野生動物は大きさもそれぞれ異なりますし、汚れ具合で色なんかも一概ではありません。白っぽいイノシシとか、黒っぽいイノシシとかも見かけます。しかも、じっとしていませんから一瞬見かけることの方が多いと思いますし、多くはそこそこ距離があることも。
山菜採りしてる黒い服きた太ったおじさんなんかも、カウントされいるのでは?

で、実際「人身被害」はどれくらいあったのか?

【石川県内で発生した 人身被害(クマによる襲撃・負傷)】

2025年の人身被害 0件。
2024年の人身被害概要

4月28日(日)14:10頃
場所:白山市三宮町地内
被害:50歳代女性が登山道でクマに襲われ負傷

5月24日(金)10:30頃
場所:金沢市湯谷原町地内
被害:50歳代男性が犬との散歩中にクマに襲われ負傷

10月2日(水)07:00頃
場所:加賀市河南町地内
被害:70歳代男性が山林散策中にクマに襲われ負傷

これらはいずれも ツキノワグマ によるもので、命に関わる死傷例は記録されていません(負傷事例のみ)。

2025年は0件、2024年は3件です。
しかも、「秋」にあった被害は1件。まだ、全部公式サイトに掲載されていないだけかもしれませんが、テレビで見聞きする印象との差、ありませんか?金沢市だけで言えば1件です。
ちなみにその前の2023年も3件です。いずれも死亡事故はありません。
「ものすごい多い」というイメージとは随分違いませんか。過去に遡っても、それほどひどく増減しているわけではありません。
また、クマとの人身事故で多いのが「ひとりで山菜採り」や「ひとりで散歩」などの単独で行動している時がほとんどです。
この情報で「クマが多いらしいから」と自然学校キャンセルするのって、どうなんでしょうね?

ちなみに、
2025年中の交通事故発生件数(速報値)は 1,828件。
負傷者数は 2,076人。

交通事故の方がよっぽど怖いです。なんなら森の方が安全?

正しい情報と正しい選択を

天候も読めないことも多いですが、気象庁の情報や現地の意見など正しい情報から推測して実施を決めています。なのにテレビの報道が邪魔して、実際には現地は良い天気なのに、別の地方の映像を気にして断る方もいらっしゃいます。
前述したように自然が相手ですので「絶対」はありません。
クマさんに出会う確率もない訳ではありません。
ただ、メディアの情報だけう呑みにして貴重な子どもたちの体験の機会が失われてしまうのが残念でならないだけです。
不安になり慎重に情報を選択することは大切ですが、正しく情報を得て大事なことに選択して欲しいと思っています。

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