自主的に「役割」を産む
「ぴっから、それなにー?」
「何するん?」
(しめしめ、かかったな笑)
森の枝打ちをするために、ノコギリをもって移動している姿に子どもたちが群がってきます。
もちろん、子どもたちの分も数本持って移動しています。
「今から森の木を切るんよ。」
そう言いながら「これでな」という感じで、かっこいいノコギリを見せます。
「やりたい!」
「ぼくもやりたい!」
数名の子たちがそう言いながら押し寄せてきました。
(計画どおり笑)
ノコギリを安全に使うためのレクチャーを少しして、切って欲しい木を指定したり、どうして木を切るのかなどの話しをしながら子どもたちとの「作業」を進めます。
決して作業を子どもたちにさせたいがためではなく、こうした自然の中での仕事が子どもたちの成長につながるのです。
これもイベント的に「木を切ります会」をやってしまうと、「やらされている感」が出てとたんに「主体的」でなくなってしまうので、あくまで「ぴっからがやってることのお手伝い」を自主的にしたくなる環境を作ることが重要です。
そうすると、10人くらいの子どもたちが手伝いにきました。
「こんな太い木、切ったよ!」
「ここから、ここまで、僕が開拓した!」
意気揚々と報告してくれます。
その都度、「いいね〜」とか「うれしいよー」とか、認めるワードを連発していきます。
結構ハードな作業なのですが、自主的に「役割」を持った子どもたちは、楽しそうに「仕事」をしていきます。
自然の中での作業のメリット
自然の中での作業は、臨機応変さを要求されます。
ノコギリで小さい木を切るのは、一見単純作業ですが、場所も平坦でなかったり木の形もそれぞれ同じ作業環境ではありません。
ムシが出てきてびっくりしたり、思ってたより固い木だったり、周りの草が邪魔でその草刈りから始めなきゃいけなかったり、その時その場で応用力がためされます。
ノコギリの力加減や、角度、足場の向き、手の向き、などなど、自分の身体を上手く使うために、身体と環境を通して「脳」がフル稼働するのです。
「作業」している中で、子どもたちの「脳」はとても活性化しているはずです。
こうした「作業」から産まれる成長は、机上の勉強では得られない貴重な成長体験です。
自然に対する知識や興味も生まれます。
「竹って固いんやなー。」
「なんで、この木きったら水でぬれてるんやろ?」
素朴な疑問が子どもたちの声から出てきます。
伐採という作業はがっつり自然と向き合うために、子どもたちの目には自然の不思議がいっぱい見えてくるのです。
自然への興味は、子どもたちの知的好奇心の始まりです。
これから学ぶ、理科の知識なんかにも直結するだろうし、そこから植物に興味を持てれば文学的な所への興味にも深まって行くかも知れません。
そういえば、ガイアで自然が好きになって農業大学にいった子もいました。
自然への興味から、いろんな学びがあるのです。
子どもたちの可能性を広げる意味でも、こうした「作業」は大切なんです。