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ぴっからコラム

子どもたちを「うまく指導する」よりも大切なこと

Gリーダーの研修会で

ガイア自然学校では、毎週土曜日に大学生ボランティア「Gリーダー」たちの研修会があります。

先日は「カウンセリング研修」を行いました。

アウトドアな体験を実施している団体が、なんでそんな勉強してるんだ?と思われる方もいらっしゃいますが、これがとても重要な研修なんです。
むしろ、アウトドアのスキル(火がつけられるとか、テントが設営できるとか)よりも、こちらの能力の方が必要です。

子どもキャンプの集合時、担当する子どもがこう言ったら、

「ママから離れたくない、行きたくない…。」

1日目の夜、急に泣き出した子どもの言葉、

「もう、お家に帰りたい!」

みんなで作ったカレーを食べる時、

「ぼく、にんじんキライ!食べたくない!」

さっきまで、仲良くあそんでいた子どもが急に泣き出した、

「ぼく、何にもしてないのに、〇〇くんがたたいてきた…。」

それぞれのケースについて、まずは自分だったら具体的になんと「言葉」をかけるか、考えノートに書いていきます。
実際に上のようなケースは「よくある」ため、上級生のGリーダーたちは経験を思い出しながらすらすら書いている様子。
今回は、まだ4月に入ったばかりの新人Gリーダーたちもいます。彼らはまだ経験がないため、想像で書くしかありませんが、それぞれの個性が現れる回答が出ていました。

それぞれのケース毎に、考えて書くだけでなくペアを作って片方が「子ども役」片方が「グループカウンセラー役」に分かれてロールプレイを行います。
子ども役は、子どもになりきって、自分の主張を通してもらい、グループカウンセラー役は、自分なりの対応をしてもらいます。

「もう、お家に帰りたい…。」

「〇〇ちゃんは、帰りたいんやなぁ。わかるよー。」

「お母さんに電話して、迎えにきてもらって!」

「うーん、電話はできひんかなー。ほら、明日は魚釣りあるから楽しみやろ?」

「いやや!今日帰る!」

「でも、バスもないし、帰れへんよー。」

などなど、いろんな対応のケースがあって、面白く盛り上がります。

しかし、こうした子どもが発した「問題」を「解決」することを目的とした研修ではありません。

ここで重要なのは「カウンセリングスキル」です。

子どもの「気持ち」の部分をどれだけ「受けとめられている」かが重要です。
子どもが発した言葉を、きちんと聴いて、興味を持って関わっているかどうか。
それができるかどうかが1番大切です。

「解決」するのは誰か

「にんじんを食べさせることに成功した。」

「うまく説得して、寝かしつけた。」

この研修を行うと、グループカウンセラー役は、「成果」を目指しがちです。
うまく子どもを誘導して丸く収める方が、グループカウンセラーとして優れていると思いがちなのです。

話しは少しそれますが、先日、小学校の先生をしているOGが、久しぶりにガイアを手伝いに来てくれました。1日の活動が終わってふりかえりの時に、職業柄「うまく指導する」クセがついていて学生時代の自分と比べると「面白くない」と言っていました。そこに気づく彼女がすばらしいと思いました。

「うまく指導する」ことはそれほど重要ではなく、その前段階の「子どもの気持ち」に気づくことや受けとめるための言動や行動ができているかの方が大切なのです。

キャンプは「生活」を体験する場です。
集団生活の中では、当然、いろんな不便さや不快感、上手くいかないことやイヤな出来事もたくさん起こります。集団なので、ぶつかり合いも起こり、ケンカが勃発することもあります。
こうした経験こそが、子どもたちの成長に繋がります。
その子の人生において、大人になっても必要であろうコミュニケーションのとり方の基礎を学んでいるのです。


そこを「大人」がうまくまとめてしまったら。。
子どもたちは自分で「解決」することを諦めます。
大人や先生が「ジャッジ」してくれることに期待して、自分たちで話しあったり判断することを諦めます。
それでは、いずれ自立しなければならない子どもたちのためになりません。

「うまく指導する」よりも、その子の気持ちを受けとめる事の方が、その子に「勇気」が与えられます。


「この人が見てくれてる。」


「この人は、ぼくのこと分かってくれてる。」


そう思えれば、その子は自分なりの次の行動を選んでいきます。
それこそが主体性です。

ガイア自然学校は、子どもたちの「主体性」を育てる場です。

ガイア自然学校のGリーダーたちが、こうした研修を受けて、さらに子どもたちと日々自然の中で関わり合うことで、子どもたちの成長を助けています。

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