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Column

ぴっからコラム

雨が優秀なキャンプリーダーをつくる

新しいフィールドで

「川はめちゃくちゃ冷たかったけど、楽しかった。」

「川もはじめてだし、ちゃんと講習を受けたのもはじめてだったので、いい経験になった。」

「子どもたちを連れてきた時、不安もあるけど、川の楽しさを伝えられたら…。」

毎年、夏前に行われるGリーダーのための「スキルキャンプ」
2泊3日で、子どもたち対象の夏キャンプを想定して、必要なアウトドアのスキルを身につけるためのトレーニングキャンプです。
例年は海で実施しているのですが、今年はいつもの能登の海のキャンプ場が使えないため、岐阜県の荘川沿いの元BBQ場をお借りして、キャンプをさせてもらうことになりました。
石川県の川でも、活動を行うことはあるのですが、本格的な渓流で実施するのは初めてのこと。
この場所を紹介してもらった、アウトドア事業者仲間のODSSの北川さんに、川の安全講習も行ってもらいました。
初めて受ける本格講習の後の感想でした。

川のことだけでなく、基本となる「テント設営方法」や「火付け技術」「野外料理技術」「キャンプファイアー」なども実習しました。
ガイア自然学校の子どもキャンプは、子どもたちとの関わりをとても大事にしています。
それ故に、アウトドアのスキルよりも子どもたちと一緒に悩みながら、困りながら進行することも楽しみであり、そうした関わり方も良しとしています。

しかし、スキルがあれば関わりに拡がりを持てることもあります。
また、安全性も高まります。
安全を守るために最低限のスキルを身につけてもらうとともに、応用して子どもたちと関われるようにGリーダーたちにはこのトレーニングキャンプを受けてもらっています。
今回は特に新しいフィールドなため、知らないことも多く、集中して学んだ3日間となりました。

雨のキャンプ

野外自炊の火を付けるトレーニングも、あえて「濡らしたマキ」を使って、お湯を沸かすというトレーニングを行いました。
雨が降って濡れたマキで火をつけて野外料理をするしかない!という状況でも、ちゃんと料理ができるようになるための訓練です。
みんなかなり苦戦していましたが、なんとかがんばって火をつけていました。

雨が降ると、晴れの日の想定よりも、時間も苦労も倍になります。
カッパを着て行動するため、視野が狭くなったり、動きがにぶくなったり。
もちろん火も付きにくくなるし、気持ち的にも下がってきます。
しかし、この経験をしておけば、本番で雨が降っても対応できるし、晴れていたら楽しい気分も倍増です。
最低の体験をしておけば、後は上がるしかない方式です。

「晴れてたら、こんなに楽なんだ!」

という感覚や、

「これくらいの雨なら全然楽しめる!」

という余裕が生まれます。

「トーレニングキャンプが悪天候だった年のキャンプリーダーは、良いリーダーに育つ」
という格言は昔からあるのです。

そして、実際に1日目の夜から雨が降り出しました。

川の自然感

「見てみて!魚つかまえた!」

「小川でカニを見つけた!」

「森でリスに会った!」

2日目は、前述の「川の安全講習」を受けた後、周辺の散策を行いました。
雨で気温も低い1日でしたが、大学生とは思えないくらい純粋に自然を楽しんでいました。
雨でもこんなに前向きに川や森の自然を楽しめるキャンプリーダーたちに感動しました。
今回の会場は、元々BBQ場だったのですが長年使われていなかった場所を無理言って使わせてもらっています。そのため、水を運んでこないと行けなかったりトイレが遠かったりと、普段のキャンプよりも少し困難が伴う条件下でのキャンプでした。

しかし、少し苦労が伴うことで、水があることの感謝が生まれていたり、自然の中での苦労を仲間と乗り越えることで、協力する楽しさが生まれていました。
こういう所がキャンプの醍醐味なんだと思います。
なんでも揃って、快適なグランピングでは味わえない。
「キャンプ」の本質なんだと思います。

また、「川」という環境は、山と一体となっている自然の繋がりを感じさせる自然感があります。
生き物も、植物も、昆虫たちも、山と川の関わりが見えてきます。


川にヤゴがいて、トンボが飛んでいて、ホタルがいて。


山の生き物や鳥たちが、川に水を飲みに来ている様子が見られたり。


いろんな事が繋がっているんだなと感じられるのが「川の自然感」なのだなと思いました。

子どもたちとのキャンプを思いながら

キャンプリーダーのためのトレーニングキャンプでしたが、基本的にはすべて「子どもたちとのキャンプ」を想定してトレーニングしています。

彼らが「火を付けられる」だけでは意味がないのです。

子どもたちと一緒に「火をつける」。

安全に「火をつける」。

子どもたちに「体験させる」。

子どもたちの体験から「感動」をつくる。

そこまでの流れをつくることが、キャンプリーダーの役割なのです。
とても難しい事をやっているという自覚があります。
でも、うちのキャンプリーダー自慢になりますが笑
本当に、みんな真面目に子どもたちのために取り組んでくれています。
子どもたちのために、自分が努力して成長しようとしています。

そんな彼らと一緒にキャンプできる子どもたちは幸せだと思うのです。

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