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Column

ぴっからコラム

子どもキャンプのグループカウンセラー

やっぱり能登は最高

能登で子どもキャンプを実施しています。

本当は、もう少し先に延ばすつもりでしたが、前回のコラムで書いたように、がまんできず。

やはり、能登の海の雰囲気、魚影、景色など最高です。

10年以上前から、子どもキャンプで利用させていただいていたこの地で、今年もキャンプできることに、心から感謝します。
また、被災地支援もいただいたことで、今回のキャンプはもちろん、ガイア自然学校が継続できていることにも感謝します。

もっと行きたいキャンプ場もたくさんありますが、まだ復興できている場所が少ないのも事実です。
営業できているところは奇跡的で、もっと利用してつぶれたりすることのないようにしたいです。

道中の道は、ぐにゃぐにゃで、地震の爪痕はえげつないです。
えぐれた道路、ぶら下がっているガードレール、山が崩れた後…。

よく通れるようにまで復旧できたなと、感動するほどです。

一気に全てが復興する訳はないので、少しずつ、継続して復興に繋がるように動いていきたいと思います。

レジャーじゃない

という訳で、今回のコラムは能登のキャンプ場で書いています。
子どもたちは、野外自炊してます。
火と格闘したり、なれない料理を楽しそうにやってます。

「キャンプ」と言うと、一般的には「レジャー」のイメージが強いため「楽しむだけ」を目指してやっている感覚があるかと思います。
しかし、ガイア自然学校などの全国の「自然学校」と言われるところは、「子どもキャンプ」や「教育キャンプ」と名称されるレジャーとは違う「キャンプ」を行っています。

あくまで、子どもたちやそこに関わるリーダーたちの「成長」を目指してキャンプを行っています。
ですが「楽しくない」訳ではありません。

超たのしいんです。

しかも、ただ楽しい訳ではなく。

ちょっとした苦しみや

ちょっとした葛藤や

ちょっとした人との関係の難しさ

なんかを感じつつ、

それらを乗り越える体験があるから「楽しさ」が倍増するのです。

「もうマッチするね!」

Aくんが、マッチ担当になったのかマッチ棒をスタンバイして子どもたちが積み上げた薪に火をつけようとしています。

「まって!まだやって!もっと細くしてから!」

Bくんがダメだしをしたので、Aくんはちょっとすねてしまいました。

Bくんが少し作業をして、ようやくAくんがマッチで火を付けます。
Bくんも、たぶんマッチをやりたかったのか、細かく口だしをします。

結果的には、何度かやりなおして無事に着火。

一瞬、不穏な空気が流れましたが付いた火を仲良く見ながら、

「ぴっから見に来て!俺たちで付けた火!」と誇らしそうに見せてくれました。

このキャンプで初めて会ったAくんとBくんですが、1日目にして仲間意識が生まれてます。

子どもたちのセリフだけ見てると、子どもたちだけの力を感じますが、

実は細かいグループカウンセラー(GC)のサポートが入ってます。
先ほどの会話の実際の場面では、

A「もうマッチするね!」

GC「そうやね、マッチそろそろしたいよな。してもいいかな?みんな?」

B「まって!まだやって!もっと細くしてから!」

GC「あ、もっと細くしたいんやね。どうする?」

…と、まだまだ続く会話があったのですが、子どもたちの一言に対してリーダーが、
ちゃんと「気持ちを受けとめる」言葉がけをしています。

何気ないただの「合いの手」みたいに感じますが、これがあるのとないのでは大きく変わります。

ただ見てるだけの大人だと、最終的にAくんとBくんのコミュニケーションのすれ違いに気づかず、声かけもなければケンカで終わることも多いです。
ケンカすることも良いのですが、ちょっとした声かけと受けとめるワードがあるだけで、その場の子どもたちは気づいてないようで気持ちの落ち着きが変わるのです。

その場の子どもたちの関係性、行っている体験から学べる部分、生活の流れにおいて大事にすべき部分、いろんな要素を考え、気づき、的確に子どもたちと関わって行く。
これができる「グループカウンセラー」の存在が、重要なのです。

カウンセリングマインドを持った関わり

「子どもキャンプ」において、このようなグループカウンセラーの存在は「子どもの成長」に必要不可欠な存在です。

キャンプでなぜ子どもが成長するのか?

それは、「非日常的」な「生活」を「他者と共にする」ために、他者とのコミュニケーションが日常よりも明確に必要となるためです。

自分の気持ちを相手に伝えなければ、自分の生活がうまくいかない。

そういう状況になるため、コミュニケーション能力を高めざるを得ません。
もちろん、小さな子どもたちは、そこまでコミュニケーションが得意な訳ではありません。


そこで、グループカウンセラーの登場です。
それも、ただ「お世話係り」ではなく、子どもたちの自立を促しつつ、サポートする必要があります。
全部お世話してあげたり、ビシバシと決まったことを「指導」するだけなら、実は簡単です。

子どもたち自身の「気持ち」に耳を傾けて、自分でできることはできるだけ、その子にやらせてみる。
そのための勇気づけをし続ける。

なかなかに、大変な仕事なのです。

ガイア自然学校のGリーダーたちは、毎週、研修会でそうした手法を学んだりしています。
ただ、座学で学ぶだけでは、理解はできるのですが、いざ子どもたちと対峙した時に役にたちません。

彼らはさらに毎週行われているガイア自然学校の活動で、子どもたちと接しています。

その活動後に、いつも「ふりかえり」を行いますが、そこでしっかりGリーダー自身の「カウンセリング」についてふりかえっています。

「今日の子どもたちは、言うこと聞かなかった。」

「今日の施設は、整っていなかった。」

というような、外的要素について見直したり、反省したりすることは全く重要ではなく。
そういう「ふりかえり」はしません。

あくまで、GC自身のカウンセリングについて、

「自分が、その子にどのように関われたか」

「子どもの気持ちに寄り添えたか」

「自分自身の気持ちの動きは」

そうした内容について、ふりかえり、みんなで共有することで「カウンセリングマインド」を持った関わりについて、理解を深めているのです。

また、毎日行われている「森のようちえん」や「放課後自然教室」にも、研修として参加しています。
子どもたちに対して「カウンセリングマインド」を持って関わる場が、毎日ある自然学校は全国でもそうそうありません。
そんなGリーダーたちが、キャンプでがっつり子どもたちと関わってくれます。

スペシャルなキャンプでしょう?

レジャーなキャンプや、家族で行くキャンプとは、全く違うキャンプなことがおわかりいただけたでしょうか?

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